キリスト教のお葬式やお仏壇・お墓について

キリスト教は世界三大宗教の一つで、日本でも知名度が高いです。
しかしその割には信仰者数が日本の信者数の中では1割にも満たないため、 お葬式などに参加する機会が少ないという現実があります。

「キリスト教式のお葬式に参加することになった!」
そんなときに慌てないためにも、キリスト教のお葬式について前もって知識を持っておきたいですね。

キリスト教とは

キリスト教

Jesus-Christ-from-Hagia-Sophia

キリスト教は、「旧約聖書」と「新約聖書」を教典としている、イエスキリストを神とする教えです。

キリスト教は一神教で、偶像礼拝も禁止していますので、お葬式自体は非常にシンプルです。
日本人には馴染みの深い「成仏」のような考え方はしません。
クリスチャンは皆、キリストの血によって天国へ行くことができるだけで、亡くなった方が神様になるわけではないため、故人を祀るためのお仏壇のような祭壇もありませんし、お墓もシンプルです。


キリスト教には主に2つの宗派がある

上記のようなキリスト教ですが、日本では主に「カトリック」「プロテスタント」があります。

Pope-peter pprubens まずカトリックとプロテスタントの大きな違いですが、 カトリックでは、ローマ教皇を頂点とする司祭制度が敷かれています。(右写真:初代ローマ教皇ペトロ)

そのためカトリックの教会を取り仕切っているのは「神父」です。 神父以上の位は、全て男の人しかなることができません。

一方プロテスタントですが、こちらはルネサンス期に起こった宗教革命で、カトリックの司祭制度を疑問視するところから始まった宗派です。

カトリックが教皇>司祭・神父>修道士(女)>信者と明確に権威を分けているのに対し、プロテスタントは神の下にいる人間は全て同じとし、聖書に忠実にあれという教えを主張しています。

そのためプロテスタント教会を取り締まっているのは「牧師」になります。(プロテスタントにおける信者は羊に喩えられる。その群れを統率しているのが牧場の管理者=牧師)
カトリックの神父とは異なり、プロテスタントでは女性でも牧師になることができます。

このようにカトリックとプロテスタントの信仰の対象や思想自体は大きく変わらないのですが、冠婚葬祭のような儀式においてはカトリックのほうが形式的な事項が増える傾向にあります。

キリスト教の葬儀について

上記のようにカトリックとプロテスタントでは、信仰面においては大きな違いはないものの、冠婚葬祭の際などには形式的な違いが出てきます。 そのため宗派別に葬儀の流れをみていきましょう。

≪カトリックの葬儀について≫

カトリックの葬儀は教会で行われることがほとんどです。
教会で葬儀が行われる際には、まずは聖歌を斉唱します。 そして神父により開会の辞が述べられ、ミサ(言葉の典礼・感謝の典礼)がスタートします。

告別式に入ると、葬儀と同じようにまず聖歌を斉唱し、その次に献花が行われます。
献花が終了すると遺族の言葉で締めくくられます。

≪プロテスタントの葬儀について≫

プロテスタントのお葬式も、カトリックと同様教会で行われることがほとんどです。
ただ、カトリックのように葬儀と告別式は明確に行われておらず、同時に行います。

流れとしましては、はじめに讃美歌を斉唱し、牧師による聖書の話を聞き、その後献花が行われます。
献花が行われると遺族のあいさつによって終了しますが、合間合間にオルガンの演奏や再び讃美歌を斉唱することが多いです。

キリスト教の祭壇

キリスト教には本来成仏や供養といった考えはないので、お仏壇のような個人の祭壇スペースを設置することはありません。
ただ、誰だって故人を思い偲ぶことはしますので、キリスト教が一般的である西洋においては、亡くなった人の写真や生前お気に入りだったものを設置するスペースを作っている人が多いです。

ただキリスト教では偶像礼拝は禁止されているといっても、やはり祭壇のようなものが欲しい、という方にはキリスト教徒用の祭壇があります。(カトリックに多いです)
もちろんこの祭壇は崇拝の対象ではありませんから、あくまでも故人を思いだすためのスペースになります。

祭壇の中には聖母マリア像やイエスキリストの象徴である十字架、そして遺影などが飾られることが多いです。
供養のためではないですが、お花を活けている祭壇も多いです。

キリスト教のお墓

日本では仏教形式で埋葬されることがほとんどですので、キリスト教徒の人たちにとってお墓は悩みの種でもあります。
キリスト教でお墓を立てる際には、以下の方法があります。

・菩提寺の墓地に埋葬し、墓石だけキリスト教の刻印にする
自分以外仏教徒の場合で、家族と一緒のお墓に入りたい場合は、こうなります。
しかし菩提寺によってはその宗派の仏徒でないと断られることも多いです。

・共同墓地・納骨堂に埋葬してもらう
共同墓地は宗派不問のところも多く、自分の信仰している宗派のお墓を建てられることが多いです。
ただ家族と別々のお墓になる可能性があります。

キリスト教のお墓の石碑には、刻印する文字はなんでも良いとされていて、その人が特に好きだった聖書の聖句や、自分の心に残った詩や歌なんかでもOK。
仏教式の墓石に多い「先祖○○家之墓」はキリスト教の共同墓地などでは刻印できない場合があります。

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